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BtoBニッチ商材を扱う企業のEC構築と運用支援
課題
ニッチ市場だからこそ、価格以外で選ばれる必要があった
専門性の高いBtoB商材を輸入・販売する代理店として、日本国内では一定の知名度と実績を持っていた。市場規模は大きくはないが、「この製品ならここ」という信頼を得ており、一定の固定客にも支えられていた。
ただし、同様の製品を扱う競合他社も複数存在しており、機能・価格・納期などを比較されるケースは少なくない。商品自体に大きな差がない以上、「どこから買うか」の判断は、利便性や購入体験といった周辺価値にも大きく左右されるようになっていた。
こうした中で、今後も選ばれ続けるためには「ただ取り扱っている」だけでは不十分だった。価格以外の部分での価値提供──たとえば、探しやすさ、買いやすさ、継続しやすさ──といった体験設計が、重要な差別化ポイントになりつつあった。
アプローチ
FAX・電話中心の受注を、ラクに買えるECに移行
まず着手したのは、主力製品群を扱うBtoB ECサイトの整備だった。これまでは電話やFAX、メールでの受注が中心だったが、検索性・操作性を考慮して構築したECサイトを通じて、徐々に注文導線を移行していくことを目指した。
既存顧客に対しては、ECでの購入方法を案内したり、電話注文時に代行入力するなど、負担の少ない形でスムーズな導入を促進。使い慣れていない顧客に対しても、無理なく移行できるよう工夫を重ねた。
また、商品ページやカテゴリ設計では、用途別・課題別での検索や比較がしやすい構成にし、検索エンジンからの流入も強化。結果として、主要キーワードでの検索順位は安定して1〜2位を維持し、新規取引の入口としても機能し始めている。
さらに、リピート購入の多いロイヤルカスタマーに対しては、定期購入のご案内や特別割引を自動化。個別対応に頼らずとも、自然と“またここで買いたい”と思ってもらえる導線が整った。
結果として、社員の受注対応の負担も軽減され、限られた人員でも安定した受注対応が可能に。ECという新しい販路を活かしながら、「選ばれる理由」を価格以外にも広げることができた。