建設業界向け書類業務効率化ツールの開発

建設業界向け書類業務効率化ツールの開発

業務の効率化と仕組み化 PoC・プロトタイプ・プロダクト開発 デジタル活用とWeb開発

課題

重要な安全書類、現場では大きな負担になっていた

建設業界において「安全」は、QCDSE(品質・コスト・納期・安全・環境)の中でも重要なテーマのひとつです。
個社としても、建設産業全体の視点でも、その安全を支える一つが、『安全書類』と呼ばれる書類群の提出・確認・管理の業務ですが、実際の現場ではその運用に多くの手間がかかっていました。

たとえば、

  • 慣れていないと、どうやって作成すればいいか分からない
  • 協力会社に依頼しても、なかなか戻ってこない
  • 添付書類等の不足で差し戻すと、また時間がかかる
  • 書類提出のために物理的な移動が必要
  • ファイリングの管理・保管にもスペースと労力がかかる

こうした背景を踏まえ、前職のチームで開発に取り組んだのが「安全書類の作成・管理を電子化し、誰でも簡単に扱える状態を目指したSaaSプロダクト」でした。

アプローチ

安全書類業務を約7割削減。現場が“本来の仕事”に集中できる環境に

現場ではITに不慣れな方も多く、「誰でも・迷わず・正確に」扱えることを最優先とした設計を行いました。
具体的には以下のような機能を中心に実装しています。

  • マスターデータ登録によるワンクリック自動書類作成
  • 保有資格・車両情報などの自動添付機能
  • 不備チェックの自動化により差し戻しの削減
  • 書類の一元管理・遠隔送信により、受け渡し・保管負担を削減

操作性も可能な限りシンプルに保ち、「作業に慣れていなくても、画面の流れに沿えば完了できる」体験設計を重視しました。

このプロダクトの導入により、安全書類業務の約7割を削減することに成功しました。
現場では、これまで書類対応に割かれていた時間を、巡回や打ち合わせなど本来の業務にあてられるようになり、本来の「安全」含むQCDSEの向上に向き合う時間そのものが増えるという本質的な効果も得られています。

また、遠隔での一括管理が可能になったことで、書類回収や確認のために本部から足を運ぶ必要もなくなり、建設会社全体としての生産性向上にもつながりました。


※ 本記事は特定企業への支援事例ではなく、開発チームの一員として取り組んだSaaSプロダクトの事例です。デジタルプロダクトで現場課題の解決に向き合った取り組みとして、ご参考になれば幸いです。

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