IT企業の事業の重点リフレーミング・言語化・組織への落とし込み

IT企業の事業の重点リフレーミング・言語化・組織への落とし込み

事業設計と戦略支援

課題

解約が重なり、営業や継続率に明確な伸び悩みがあった

社員数50名ほどのSaaS企業において、営業成績・継続率ともに伸び悩む時期が続いていました。
特に解約が集中するタイミングでは、チーム全体に焦りが広がり、「自分たちは何をどう伝えるべきなのか」という根本的な部分での迷いも強くなっていました。

プロダクトには自信がある。けれど、それが“なぜ選ばれ、なぜ使い続けられるのか”を言語化しきれていない──そんな状況にありました。

アプローチ

「強みのリフレーミング」と「グロースサイクルの可視化」から再定義を実施

まず取り組んだのは、自社の強みを改めて見直すことでした。
過去の顧客ヒアリングやCSログをすべて読み解き、新たに顧客インタビューも実施。ツール導入時の動機、導入後のギャップ、利用の定着と解約に至る背景を深く掘り下げました。

その過程で見えてきたのは、「顧客が求めていたのはツールそのものではなく、自身のビジネスの成功だった」というシンプルな構造でした。
提供側の視点では『良い機能』でも、顧客側から見れば『成果に直結しない要素』は選定・継続の理由にはならないという、当たり前だけど見落としがちな事実です。

この仮説を元に、「自社サービスが顧客のビジネスにどのように寄与するのか」を主軸に据えたグロースサイクル(成長の因果関係)を再設計。導入から成功までの流れをチーム全体で共有可能な形に落とし込みました。

リフレーミング後は、営業資料・トークスクリプト・カスタマーサクセス施策に至るまで「顧客事業の成功」を明確に重みづけ。
単なるツール紹介ではなく、課題理解と伴走型支援の提案へと切り替えたことで、商談の質が上がり、結果的に受注率・継続率の安定にもつながりました。

また、事業計画書にもこの方針を明記し、経営層〜現場のメンバーまでが共通の軸で動けるようになったことも大きな変化です。
当初はチーム内にも戸惑いがありましたが、徐々に「顧客が本当に求めているもの」が行動レベルにまで落とし込まれ、成果と実感が伴う体制へと変化しました。

今では、『導入される理由』ではなく『成果につながるから選ばれる』状態を目指し、組織全体が前向きに進化を続けています。

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